とうとう日本舞踊のお稽古も海外とつながる時代になりました。日本舞踊は、先生の姿を真似ることから始まり、慣れてきたら盗み取っていくものです。当然、対面でお稽古できるに越したことはありません。でも物理的に無理な場合は、リモートでもお稽古が出来る時代になったことを逆に喜ぶべきだと思います。
私は今まで兵庫県在住の流派の名取さんとは、リモートでお稽古をしてきました。今回、横浜の教室の中から、長期間に渡り、海外生活を送られることになった方が出てきました。それもまだお稽古を始めて数ケ月の方です。リモートで続けたいと仰って下さる嬉しさもありますが、さすがに驚きました。ただそのご相談を受けてすぐに快諾させて頂きました。私は月に一度、新幹線に乗りお稽古通いをしてきました。その時の経験を活かし、また多少の困難な中でも、何よりも「やりたい」というお気持ちに寄り添える先生でありたいと思っています。
ロンドンの大学でビジネスのお勉強をしたいと渡英される大切なお弟子さん、私は若い方の門出を心から喜び、また応援したいと思います。
今から90年程前のことですが、小寺流の初代お家元は、神戸から上海にまで船で出かけ、お稽古されていたと聞いております。私も今の時代だからこそできるようになったリモートのお稽古方法をしっかり模索し準備したいと思います。
2024年8月24日
小寺一光咲